会社を退職したときや失業したとき、雇用保険から失業保険(雇用保険基本手当)を受け取ることができる場合があります。
今回は、失業保険を受け取れる条件や、受け取れる金額について説明します。
また、一度失業保険の給付を受けると、次に失業したときにどのような影響があるのかも知っておく必要があります。
失業保険がもらえる条件

雇用保険とは、雇用保険に加入していた人が失業した場合に給付される制度です。
雇用保険の中にも様々な給付がありますが、失業保険と呼ばれるものは、正確には「基本手当」です。
条件
また、定年退職した方でも、再就職の意思があれば失業保険を受けることができます。
ただし、60歳以上64歳未満で特別支給の老齢厚生年金を受給している人は、失業保険と年金の両方を受けることはできません。失業保険と年金のどちらが得か、試算しておくとよいでしょう。
もらえる金額
給付日数は、離職理由、被保険者期間、年齢により異なります。失業保険の給付期間は、原則として離職日の翌日から1年間であり、給付期間内に使い切らなかった日数は支給されません。
所定給付日数は、特定受給資格者、特定理由離職者等と一般離職者では異なります。
失業保険は二回もらえるのか?

結論として、失業保険は何度でも受け取ることができます。
ただし、一度失業保険を受けると、失業保険の加入期間(被保険者期間)はリセットされます。
1年以上働けば再受給が可能
失業保険を受給したら加入期間がリセットされる
再就職後に退職した場合は、前職の10年間をカウントすることができません。
したがって、再就職後に退職した場合は、失業保険の金額が少なくなる可能性があります。
申請の期限について
雇用保険を受給される方の多くは、離職後すぐに手続きをされますが、入院や体調不良などの理由ですぐに手続きできないケースもあります。
雇用保険の受給期間は、離職した日の翌日から1年間です。期限を過ぎると、まだ給付日数が残っていても給付を受けられなくなります。
病気やケガ、妊娠・出産などの理由で30日以上働けない場合は、受給期間延長申請をすることで受給期間を延長することができます。
給付期間は最長4年まで延長することができます。
65歳以上での失業は高年齢求職者給付金が受けられる
高年齢求職者給付金は、離職前の1年間に6カ月以上加入していれば、何度でも受給することができます。
高年齢求職者給付金は、雇用保険の被保険者期間が1年未満の方は基本手当日額の30日分、
雇用保険の被保険者期間が1年以上の方は基本手当日額の50日分となります。
不正受給について

基本手当を不正に受給しようとした場合、働いたと嘘をついたり申告しなかったりすると、基本手当を不正に受給したものとみなされます。
不正受給した者は、雇用保険法および刑法の規定により、不正受給した金額の3倍の金額を支払わなければならなりません。
不正受給の例
上記のようなケースは不正受給となります。
失業認定申告は、嘘をつかずに事実を述べて申告してください。
失業保険は何度でももらえます
失業保険は、1年以上働いていれば何度でも受け取ることができます。
定年退職後に再就職する場合でも、64歳までは失業保険を受給することができます。
また、65歳から仕事を探す場合は、高年齢求職者給付金という制度が用意されています。
失業保険や高年齢求職者給付金など、再就職に役立つ制度があることを認識し、忘れずに活用するようにしてください。